睡眠の原理
睡眠を促すための第一のシステムは、疲れたら眠るという、恒常性維持機構(ホメオスタシス)と呼ばれるメカニズムで、 覚醒中の疲労蓄積により睡眠欲求が生まれます。睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなり、一旦眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、十分な時間だけ眠ると睡眠欲求は消失して覚醒する、という仕組みです。
第二のシステムは、夜になったら眠るという、体内時計機構と呼ばれるメカニズムです。体内時計から発信されるシグナルの指示で、交感神経の活性化、覚醒作用のあるホルモンの分泌、体温の上昇によってもたらされます。覚醒力があることで、日中起きて活動できるようになります。日中の活動にはオレキシンという覚醒物質が関わっており、日中に多く分泌されます。覚醒状態が維持されることにより、夜になると分泌量が少なくなり、覚醒状態が維持できなくなり眠くなるという仕組みです。就寝時刻1-2時間前 になると、体内時計を調節する物質のメラトニンというホルモンが分泌され、急に眠気を感じるよ うになります。朝方になると、副腎皮質ホルモンが分泌されて自然な目覚めのための準備がされるのです。以上が人間の自然な睡眠のメカニズムとなります。
現代人の不眠の原因
不眠症の原因とメカニズムは、沢山あるように見えますが、そのメカニズムは至ってシンプルで、睡眠と覚醒のバランスの乱れによります。眠りたいときに何らかの理由で、身体を覚醒する機能が睡眠を誘う機能よりも上回ってしまった場合、眠れないのです。 不眠は「眠れない」という、夜間の症状だけではなく、日中の眠気や、だるさ、集中困難など、心と身体に様々な影響を及ぼします。ストレス社会ともいわれる現代社会において、不眠の訴えを持つ人は年々増加しています。日本人成人の5人に1人が何らかの不眠の症状を感じているという研究報告があります。
幸せホルモンと呼ばれるセロトニンは、心の安定を保つのに欠かせません。しかし実際には、セロトニンの量が足りていない方が多くいます。セロトニンが不足すると、不安や恐怖を感じやすくなるのです。なお、ストレスはセロトニンの量を減少させる要因にもなります。つまり、セロトニン不足 によって脳がストレスを感じると、セロトニンはますます減りやすくなります。結果、ストレスが 加速するという悪循環に陥ることもしばしばです。
また、セロトニン不足は、めまいや頭痛を引き起こします。いわゆる偏頭痛も、セロトニン不足が原因です。セロトニン不足が不眠症を招くのは、 メラトニンが不足するためです。メラトニンは、セロトニンから作られます。そのため、原材料のセロトニンが不足すると自動的にメラトニンも不足するわけです。昼間に分泌されるセロトニンの量が少ないと、夜間に分泌されるメラトニンの量も少なくなり、眠気を感じにくくなるため、 不眠症が起こりやすくなります。また、加齢とともにメラトニンの分泌は減少します。
なぜ、セロトニンが不足するのか
<生活における原因>
昼夜逆転生活や屋内にこもることが多い方→セロトニンは太陽の光を浴びることで生成されます。リズム運動をしない→ウォーキングやジョギング、咀嚼も含みます。スマホやパソコンを長時間使用する方が該当します。
<食事における原因>
セロトニンの原料はトリプトファンです。トリプトファンが不足すると、セロトニンが体内で作られにくくなります。トリプトファンは体内で合成されないため、食事で摂取する必要があります。適度な運動をする、日光を浴びる、嬉しいこと・楽しいことを考える、十分な睡眠をとる、音楽を聴く、セロトニンを増やす食べ物(乳製品、大豆製品、バナナ、ピーナッツ、卵)
そもそも人はなぜ睡眠が必要なのか
睡眠には脳や体を休める機能に加え、心身の健康を維持する働きがあります。疲労回復、免疫力、感情、記憶力、思考力、さらに食欲や肥満とも密接な関係にあります。睡眠は心身の休息と メンテナンスのためにあり、生涯、不要になることはありません。
心地よい眠りのために
<決まった時刻に起きましょう>
休日でもできるだけ平日と同じ時刻に起きるようにしましょ う。差は長くとも1-2時間以内に。それ以上長いと休日明けに起きるのが辛くなります
<朝日と朝食で体内時計をリセット>
朝日をたっぷり浴びて、セロトニンの分泌を促進させます。規則正しい生活は、健康管理の基本。同じ時刻に食べることも体内時計のリセットに役立ちます。
<メリハリのある生活を>
日中は仕事をしたり、趣味を楽しんで、昼間に覚醒度を高めることで、 寝つきがスムーズになり、睡眠途中の目覚めも少なくなります。夕方に軽い運動をし、少し体温を上げると、就寝頃に体温が下がってスムーズに眠りに入ります。
<短い昼寝をする>
午後3時までに20分程度の昼寝をすると、眠気が取り除け、その後は覚醒度が 高まります。夕方以降に仮眠をとると、夜に目が冴えて、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなっ たりすることにつながります。
<夜はゆったりくつろいで>
カフェイン、寝酒は控える。カフェインには目覚まし作用があり、寝 酒は後半の眠りを妨げることが知られています。少しぬるめの湯にゆっくり浸かり、入浴後一息 ついたところで寝床に入りましょう。風呂で上昇した体温が下がっていくタイミングで就寝すると、寝つきがスムーズに。
<眠くなってから寝床に就きましょう>
睡眠時間は人それぞれ。8時間睡眠にこだわって、無理に早寝する必要はありません。日中強い眠気で日常生活に支障を生じることがなければ、あまり気にし ない方が良いかもしれません。なかなか眠れない場合は、思い切って寝床から離れ、眠くなって から寝床に戻ってみましょう。
<睡眠環境を整える>
光、音、香りでリラックス。就寝前のひとときは心身をリラックスして眠りの準備を。柔らかい暖色系の明かり、お気に入りの音楽やアロマオイルの香りなど自分好みの 環境を演出しましょう。枕選びの基本は仰向けに寝た時の姿勢。起立時に比べて頚椎のカーブが やや浅く、少し顎を引いた状態になる高さの枕が最適です。硬さ、感触、吸放湿性を考慮し、自 分に合ったものを選びましょう。
CBDが睡眠障害改善になぜ役立つのか
うつ病や精神疾患大国であるアメリカの、最新の研究では、西洋薬では睡眠障害を改善する効果が出にくいものが多数あるということがわかってきました。その一方、ハーブ療法を中心としたオーガニックハーブや、 植物の天然成分が、メンタルヘルスの疾患の症状に対して、副作用なく効果があるということも多 数の研究によりわかってきました。
ヘンプから抽出される天然成分であるCBDは、特に効果があるということがわかってきています。エンドカンナビノイドシステム(以下EMS)は、全身ネットワークとして働く神経系の調整因子であり、中枢神経系の調節因子の一種です。一方、 ホメオスタシス(恒常性)は、人間だけでなく生物全般に備わっている体を最適な状態に保ち続けようとする体内システムです。
人間は体に不調が起きると、人体に備わっているホメオスタシスによりバランスを整えようとします。この時、体内の不調を伝達して整えるように働きかけるのが、カンナビノイドやカンナビノイド受容体であり、これらの一連の働き(ホメオスタシス~カンナビノイド受容体)を総称してEMSと呼びます。
これは身体の生命維持をしていくために必要不可欠なシステムで、体内でかンナビノイド生成することができ、作り出された化合物を内因性カンナビノイド と呼びます。加齢、ストレス、体外環境の影響で内因性カンナビノイドが不足するとEMSが上手く機能せず、様々な疾患の原因になってしまいます。そこで、CBDを摂取することにより、体内で十分に作られず、不足した内因性カンナビノイドの代わりとなり成分を補う働きをし、EMSを整えます。
CBDの睡眠への作用
CBDは、EMSに作用することで、自律神経のバランスを整える効果があると考えられています。交感神経系の過剰な活動を抑え、リラックス効果や抗不安効果をもたらすとされています。さらにCBDは、作用する神経伝達物質受容体の中で最重要と言えるのがセロトニン受容体です。CBDの摂取でセロトニンの分泌が多くなることで、副交感神経を優位にし身体を休息の状態にします。セロトニンの分泌量が増えることで、メラトニンの生成が促進され、自然と眠気が引き起こされることになります。また、EMSの働きが正常になることで体内時計も正常に調節され、朝、外が明るくなるまで眠り続けることが期待できま す。CBDは人が持つ、元々の睡眠のメカニズムを正常に導く、大きな助けになるとされています。